テストの対策プリントの配布はあり?

定期考査は何のために行うのかという疑問からスタートしよう。
管理人にもそのあたりははっきりしていない。
 「成績を付けるための重要なもの」という考え方はどうであろう。
確かに成績を付ける要素としては重要になってくる。この考え方は、授業を目標に沿って行っているかが疑問になってくる。しかも、英語はパフォーマンスの要素も必要になってくるのでそれだけで生徒の能力を評価することが出来ない。
 「学習したことを確かめるため。」
指導したことがどれだけ身についているかということを確かめるうえでも重要になってくるし、生徒が躓いた点はテスト後にもう一度何らかの形でケアしてあげる必要が出てくる。
 
 「生徒の英語力を見るため」
 テストの点数=英語力という指標は物議をかもすが、テストが丸暗記で答えられるのであればそれは暗記力を見てることになる。これはテストの作り方になってくる。
 
 中・高生のときはテスト対策プリントと称してプリントを貰ってそこだけを必死に暗記したことはあった。しかし、それが自分の力を付けるのに役立ったかは定かではない。

 自分が現場で教え始めてから、テスト前に対策プリントをどうしようかと悩んだことがあったが「点数上がるからやめとき」とくぎを刺されたことがあった。そこでテスト前の「対策プリント」の配布の是非が問われている。
理由として「これがないと生徒が勉強しなくなる。」、「生徒が絞り込んだ勉強しかしないからダメだ。」などの批判が出てくることが予想される。

 しかし、個人的には「対策プリント」を配ることに対しては抵抗がない。個人的には「対策プリント」の発想を変えればいいと思っている。絞り込みというより、テストの問題の出し方を生徒に示すのには有効だと思っている。つまり、こっちの手を示しておくということだ。
私学入試の赤本でも受験校が自分が学校の問題の出し方を出してきているのだから学校でもそのようにすればいいい。「対策プリント」の考え方は以下を参考に。

英語授業の大技・小技

英語授業の大技・小技

もちろん、出し方を示すときはあくまで「出し方」なので対策プリントにある英文や単語を変えておけばいい。
予告プリントを配るときに「このような問題を出されてもいいように学習しておきなさい」と生徒に言えばいい。
例えば単語問題で文脈の中に多肢選択形式で入れる問題を出すのであれば生徒は単語を文脈に入れる練習をしてくるだろうし、並べ替え問題であれば今まで学習してきた英文を暗写したり、音読したりの練習をしてくるだろう。

しかし、テスト問題作成に加えて対策プリントを作成するのにはかなり労力がいるので
http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/searchdiary?word=%C4%A9%C0%EF%BE%F5
を参考に

 特に、英作文は出し方を示すために何パターンか練習させたことがあった。
例:「インターネットを使って「コナン」のことを調べました。「コナン」になったつもりで自己紹介をしなさい。」
①住んでいるところ :東京
②年 齢       :7歳
③好きなもの    :サッカー         
④嫌いなもの    :音 楽
⑤持っているもの  :スケートボード(skate board)
⑥持っていないもの1:犬
⑦持っていないもの2:兄弟
 
 このときは生徒に練習をさせただけという不親切さ。上位に上り詰める子はそのプリントをベースに自学ノートで練習をしていた。もちろん、定期考査のときはもっと情報を既習語で書ける範囲で変えたりなどしたことがあった。

テスト対策プリントを「絞り込み」のために使うのではなく、「このようなパターンに対応できるように個人で練習しておきなさい」という趣旨でやるのであれば生徒は何パターンか練習して英語への波及効果ももたらすであろう。

全英連奈良大会2日目 分科会23

ようやく更新できました。

分科会23では中学生を対象でテーマは「Read and look upによる基本文の定着」であった。
助言者は泣く子も黙る家元!! カジュアル!!革ジャンに…下はジーパンだぜ!!あの髭から放たれる威圧感…

 まずは授業では中学校3年生の教科書の読み物であるMother's Lullabyの基本文を暗唱?させるための練習をGGMを使ってさせる取組をさせていた。

GGMに関しては

英語授業の心・技・体

英語授業の心・技・体

を参照してください。

 簡単に言えばクラスを輪にして教師が輪の中に入って一人一人の生徒のパフォーマンスをテストして合格なら「マル!!」不合格なら例えば、motherのthがだめなら「th!!」といって次の生徒のところへ行くという

 管理人自身、授業を見ていて「うーん」、授業の中身の説明でも「うーん」となっていた。
 途中で家元が「私用」で消えるという事態が起こったが…

再登場してからのコメントは
?「こんな授業受けたいとは思わない。」
 確かに授業の中では一人一人にかける時間がかなり長かった。そこを短くしないといけない。一人一人にかける時間が少なくてもラウンド数を増やすことでパフォーマンスをテストされる回数も増えるし、自己練習の時間もメリハリを持って練習できる。つまり授業の95%が練習で5%がテストと言う状態に持っていかないといけない。しかし、ボーっとしている生徒やふざけている生徒は無視して次の生徒の所に行く体制でいかないといけないとのこと…
 先ほど述べたが、GGMは素早く生徒のパフォーマンスを聞いて、フィードバック。フィードバックもダメな部分を一瞬で指摘して次の生徒に行かないといけない。*1フィードバックのときは足は動く構えとのこと。

?「生徒がこんなひどい発音をしていて何の幸せになるんだ」
 確かにすごくダラダラな英語を生徒が話しているのになぜ「合格」のパフォーマンスを出せるのかがすごく謎だった。…など様々な指摘をされていた。目指すのは少しでも英語らしい英語を話させるのが教師の務めじゃないのか!!
とのこと…

 管理人自身も見ていてまずいと思った点は
 1.個人の生徒によって合格基準が違う
 これは管理人にも気になっており、個人によって合格基準が違うというのはどうなのか?確かに見た授業の中ではmotherを「マザー」と発音していても合格になっていたり・・・
 Read and look upの状態で読まないといけないから個人のワーキングメモリーの容量が小さいのであればlook upの状態で読む音節数は違えとも…パフォーマンスのレベルではもっと厳しくしないといけない。
 
 増してやmother's lullabyは暗唱+オーラルインタープリテーションまで持っていかないといけないな・
 もちろんできる子にはその子の力に応じてさらに上の目標を設定してやってもいいけど・・・

 2.個人練習に委ねる時間が長すぎる
 聞くところによるとコーラスリーディング2回*2から個人練習。いやそれは幾らなんでも…確かに一斉よりペアの局面が多いに越したことはないが、ビデオを見ていると文字を音声化できていない生徒が多すぎる。つまり、一斉練習できちんと学習者が自分で音声化できるまで練習をさせてから個別に持っていかないと…
ちょとだけ練習して個別なんて、いい加減に部活で練習させて試合に出して「ボロ負けして来い」と言っているようなものだ。学習者が可愛そうすぎる。一斉練習である程度教師が引っ張って、それを個別にGGMで確認する。そこで落ちこぼれた子をGGMで拾うというようにしないと…*3


 この実践報告を聞いて、確かに困難校で頑張られているのは分かったのであるが、成果をテストする手法や目標に持っていくまでの過程に少し疑問を感じた部分が多かった。そこを厳しく言われるとおそらく報告者にとっては明日の授業が変わったりテスティングを勉強しないといけないなとかいろいろな収穫があるだろう。オーディエンスとしても実践研究をしていくための収穫を得ることが出来たと思う。

 それにしてもあの家元の話術というのにも引かれた。もちろんあのひげの威圧感にも

*1:家元曰く「ダメだしは0.03秒で済ませる!!」フロアの先生が「"the"だったら舌を歯で挟んで…」家元は『こんなの0.8秒!!』

*2:Listen and Repeatのこと

*3:せめて、Listen and Repeatをやってから2番目にRead aloud listen and Repeatといって教師が日本語を言った部分を生徒が英語を言って、そのあとに教師が英語を言うと言う方法(手順:教師:日本語 ⇒生徒:英語 ⇒教師:英語 生徒⇒英語をやってからオーバーラッピング3回はやらないと…

教育実習体験記 ホームルーム編

教育実習を2年以上前に体験してきた。

 あの時は「理想に燃える何も知らない学生」と指導教官に言われたことを覚えている。本当に教科教育法で学んだ知識で自分を武装していたことを覚えている。

 幸いにも実習はだらしない恰好で内諾に行ったけど母校で受け入れてもらうことが出来た。学級担当は、私が3年間お世話になった数学の先生である担任の先生。科目担当は、実際に授業してもらったのは半年だが面識は3年間あった英語の先生という複雑な実習だった。どちらの先生も教え子が戻ってきてくれたと喜んで受け入れて下さった。

 教師はただ授業をすればいいだけじゃない。教育実習では教科でそのクラスの生徒と関わりがあまりなくてもホームルームも持たされる。分掌こそはないが、科目指導の側面が実習のメインになってくるが学級経営がものすごく教師になってから重要になってくる。というか学級経営がダメだと授業の雰囲気もあまりよくならない。つまり、学級経営あっての授業だ。

  まずはその学級経営の面から体験談を話して行きたい。最初は生徒を自分の方へ向かせることすらできなかった。
こっちが話していても生徒が私語をしている、テスト前ということもあったから生徒がSHRでテスト勉強をしていたというひどいありさまだった。担当教官にも「お前は生徒と向き合えていない。」とか「こんなん0点じゃ!!」とか言って泣きそうになるまで叱られた。

 話を聞かない生徒に怒鳴りつけて結局こっちを向かせたこともあったし、「だまれ」と言って黙らしたこともあったが、それを繰り返していたら子どもたちが無気力になってしまう。一番大切なのは原因を考えてそこから改善していくことでもあるけど、子どもたちに「今何をするときか」というのに気付かせることができないといけなかった。
 
 その時は、実習生なりに分からないことが多すぎたので、担当クラスの生徒の名前をしっかりと覚える+放課後などに教材研究を放置して生徒とたわいもない話をしに行っていた。そこから、何人か支持してくれる生徒が出てきてなんとか3週間を乗り越えることが出来た。*1
また、担任の先生には話せないような自分の悩みや家族との関係も話してくれたりした。教育相談の中にはすごくシリアスな問題もあるので適当には扱えない。そこで改めて教育相談の講義の大切さを感じた。教育法だけで免許を出さない理由がなんとなくわかった。*2

 学級経営の際によく言われたことは 
 1.ブレない指示をする
 2.一人一人を見て話す
 3.臨機応変性を大切に
だった。そのような基本姿勢が全くできていなかったんだな、この3つのことは授業経営において非常に役に立った。
  
 実習の最後は体育祭だった。体育祭では教官に「今日はお前が担任代理や」と言われた。そこでは、生徒と一緒になって盛り上がっていたことを覚えている。練習ではボロボロだった大縄跳びでは学年で1位という記録を出した。これまでの競技がボロボロであったがため大縄跳びにスポットが当たらなかったが、大縄跳びの瞬間だけに感動。体育祭後は生徒になぜかジュースをおごるという約束をしていたので近所のスーパーに走ってホームルームの生徒に人数分のジュースを買いに行った。
 
 最後は生徒とこの3週間を振り返ったりした。そして、恒例の色紙渡し。しかも、一度実習中に喧嘩した生徒から渡された。思わず泣いてしまったな…

 今でも自分がしっかりしていないがために迷惑を生徒にかけてしまったことが多かったことは生徒に申し訳なく思っている。しかし、それでも「先生」と言ってよいしょしてくれた生徒には感謝している。教育実習のときの生徒には今度は教師として人間として成長した姿を見てほしいとは思っている。

*1:実は、実習中に7㎏やせたおまけに睡眠時間が1時間半とかの時があって顔が青ざめており生徒が「先生青ざめてる」と言われてそこからみんながやさしくなってくれたという経緯もある。

*2:教員採用試験前の対策講座で切れ味の鋭い講師の先生に「教師は演技者でもあるが、心の医者でもある。」と言われたこともあった。

全英連2日目 分科会16の巻

 久しぶりに研究会ということで奈良の帝塚山学園大学で開かれた全英連に参加してきた。ゴロゴロ寝ていたら朝になっていたので記事を書くのも今に至ったわけです。
 1日目から参加しようとしていたが、金曜日という平日に仕事を休んで参加するわけにはいかず…
 家元の講演を聞きたかったが、英語科の主任の先生が参加していたようなので講演の内容を主任から聞いた。
似たような内容がhttp://cherryshusband.blogspot.com/ 
 
管理人が見てきたのは
1SELHiでの取組
 登美ヶ丘高校の取り組みについての発表だった。指導助言者はうちの大学院のS先生。
 この学校はSELHiの指定校であった学校であり、研究テーマとして『生徒が「よい読み手」さらに「自律した読み手」へと成長するために、①学年に応じたねらいの明確化と②『ラウンド制』*1という指導法で自律した読み手となる素地を身に着けるための研究開発を行っていた。
 「自律した読み手」の定義とは
  A必要なストラテジーを選択して能率よく読める
  B読む文章の種類に応じて、読み方や読む速度を変えることが出来る
  Cたえず推測
  D批判読み
  E読んだ内容を基に自分の意見や考えをもち、それを適切に表現できる
  F興味関心に応じて積極的に多読できる
である。
 それらに『ラウンド制』を当てはめて指導をされていた。
 まず、 それぞれの定義に当てはまるようにどのような指導をしていたかを簡潔に。

A必要なストラテジーを選択して能率よく読める
 共通のハンドアウトを輪番制で作成。プリントも教材をいろいろな角度から読めるように協議されたいた。
B読む文章の種類に応じて、読み方や読む速度を変えることが出来る
 教科書の単元を「物語文」・「説明文」にわけて指導。ここでは、レッスンの順番ではなく文のジャンルを集中的に指導をしていたようだ。定期考査ではストラテジーが身についたかの確認のため初見の文を出題していたみたいだ。
Cたえず推測
 そこで重要になってくるのがディスコースマーカーである。ディスコースマーカーに注目をすると論の展開などが理解しやすくなるのでそこにも注目させていたようだ。
D批判読み
E読んだ内容を基に自分の意見や考えをもち、それを適切に表現できる
 そこでは、読んだ内容に炊いてのWritingや「リサーチリーディング」と言ってインターネット上で英文を検索し記事を英語で要約して、意見を書き、コンピューターの画面上で共有する取り組みが行われたいた。

F興味関心に応じて積極的に多読できる
 多読指導をされており、Graded Reader を購入して図書館で貸し出しやBook Reportを生徒に提出させたり読後感想の交換などをされていたようだ。
 
  しっかりと研究開発をしているように見えたが課題は2点あった。
1.文法がどうしてもおろそかになってしまうということだ。確かに、読みや音読に時間をかけていたらそこはおろそかになってしまうし文法が出来なかったら書くこともできない。
 助言の中にもあったが、文法問題集の下手すれば解説と呼ばれていないお粗末な解説を使って延々と解説してそのあとに演習をするよりかは生徒に家で文法書を読ませておいて、必要に応じて教師が解説してあとは徹底的に音読をさせそのあとに構文を使って自己表現に持っていく方が力が付くとのことだった。
それと、文法指導でも4技能を上手く統合した指導をしていかないといけない。例えば中学校の文法項目を挙げるとWill you〜?とWould you〜?があるがその違いが明確になるようにタスクを与えて聞き取りをさせて⇒必要に応じて解説⇒音読⇒コンテクストを意識させた英作文⇒ペア・グループやクラスの前で発表できるようにもっていかないといけない。

2.リスニング力が伸びていなかった。
 おそらく、文字を介在した理解に頼りすぎたがためだと思うが。助言したS先生は、シャドーイングや(文字を介在しない)リピーティングが有効だとおっしゃっていた。確かにシャドーイングは知覚を鍛える練習には有効だと思われる。
 次に、リスニング力をつけるには教科書だけじゃ足りないので教科書以外のリスニング教材を授業で取り扱うことも必要になってくるみたいだ。しかし、リスニング教材を聞かせて⇒答え合わせというお粗末な指導法じゃ指導というのは指導ではないのでリスニング教材もいくつかの段階を踏んだうえで原稿を渡して徹底的な音読が必要になってくる。
 あとは、ナチュラルスピードで教材を聞いても仕方がないので平均して7±2音節ごとに1.6秒ほどのポウズ*2をおいてやって処理能力を高めてやらないといけない。 

 このSELHiの取り組みは課題が蓄積したが成果は出ている。その要因としては、指導法のこともあるのであるが、
①教員がハンドアウトを輪番制で作成する
②教員同士の密な連携
 教員が一人で走るのははっきり言ってしんどいことなので仲間を作って仲間と協力してやっていくことが重要な要素になってくる。また、科目だけでなく他科目の教員など学校中を巻き込まないと成功しなかっただろう。
 来年度は講師としてどの校種になるか見当もつかないのであるが、リーディングは理解と基本文の定着に留めずに活動の幅が広がるようにしないといけないと感じた。むしろリーディングはかなり可能性のある指導だと感じた。それに加えて「入試ため」とかじゃなくて長期的な展望で指導を考えることが生徒の幸せにつながるのではないだろうかと感じた報告だった。

 次に、Read and Look upによる例文の定着は別の機会に 助言者は家元!!

*1:これを説明しだすとかなり長くなるのでこのURLを参考にしてください。認知のメカニズムやSLAの理論にのっとた指導法だ。http://d.hatena.ne.jp/JCD00620/20081021/p1

*2:ポウズのことに関してはLETの会員であれば鈴木(1991)を参照してください

自学ノート活用法

最近、中学校では「自学ノート」を生徒にさせているところもある。

非常勤で高校に勤務していたときはさせていなかったが、主任の先生が「生徒に自学ノートを書かせてほしい」といっていたのと管理人自身も前からやりたかったので実践していた。

 管理人は年度当初に生徒に英語用にノートを2冊用意させていた。1冊は「本文用ノート」、もう一冊は「自学用ノート」とタイトルをつけさせていた。

 自学ノートの使用方法としては、単語練習、英作文、英語に関する調べ物、暗写…などを内容は比較的自由にさせていた。しかし、市販の問題集を解いて出したものや塾の問題集をやって出したものは提出禁止というルールを設けていた。

 自学ノートに関することは

生徒の心に火をつける―英語教師田尻悟郎の挑戦

生徒の心に火をつける―英語教師田尻悟郎の挑戦

を参照するといいだろう。
 
 基本的には1生徒がノートを書いて提出⇒2(必要に応じて)添削⇒3教師が生徒を褒めるコメントを書いて返却というスタイルで行っている。
 一応生徒がやってきたページ数を控えるようにはしているが、成績にはあまり加味しないようにしている。

 少なくとも130人の生徒がいる学年で自学ノートを毎日提出させるのは時間と体力的に無理なものがある。
 
 しかし、「○組は△曜日」などクラスごとに曜日を指定すれば一クラス40人いたとしても無理な量ではないし、強制ではないのでやりたい子だけが提出をしてくる。(それに加え分掌や教材研究などがあるので持って帰ってみるケースがあったりした。)無理に出すようには仕向けないけど「やれば本気で世話します」みたいな文言で自学ノートを始めさせていた。

 特に女子は授業で習ったことを丁寧にまとめたり、ストーリー仕立ての会話文を書いてきたり、イラスト付きのノートなどかなり凝ったノートをまとめてきたりする。下手すれば、大学の講義で学んだようなことを書いて来たりする。そのような場合は褒めるコメントをもちろん書くのだが、生徒の学力を把握していたりできれば、次のステップに進めるようなコメントもしてやるようにしている。そうすると更に発展したノートを書いてきたりする。

 また、学力が低い子や教師に少し反抗気味の生徒も「たまに」出してくる。「たまに」というのが教師にとってはチャンスと取らないといけない。そこで「かなり褒める」コメントを書いて励ます。そうすると、少し反抗気味の生徒の態度が改善されたりしたりしたこともあった。しょうもないことをやってきてもひたすら褒めるというスタンスでやってきた。 
 
 中学校1年生の自学ノートしか見たことがないが、これから習う文法事項が増えてきたら思春期の子なので普段人に言えないことを英語でまとめてきたりしてくるのですごく繊細な心を扱っていることを自覚しないといかなかったりする。特に、自学ノートにやったことの感想を書いて来たり、自分の考えなど出来事を必死に述べようとしているときは教師も精一杯のコメントと添削をしてやらないといけない。自学ノートはスタンプだけ押して返すという機械的な作業になってはいけない。何か自学ノートから問題点があれば担任の先生や主任の先生と相談する手段にもなるので教師同士の連携にもつながる。
 忘れてはいけないことは、自学ノートは教師と生徒をつなげる架け橋となるものであり、生徒一人一人と書面ではあるがコミュニケーションをとるものになる。書面でのコミュニケーションは生徒との本物のコミュニケーションにも生きてくることがある。

 そのような自学ノートを始めてみませんか。大変だけど地道につづけることで生徒との関係も良くなってきます。

私の英文法指導

英語教育ブログみんなで書けば怖くない!企画(http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20111001/p1)に参加中!
提出期限を破ってすみません。

 教職経験がもうすぐ2年が経とうとしている。その中で自分が主体になって授業をすることもあったし、TTのT2として授業のサポートをしながら授業を見てきたこともあった。

1文法指導の現状
 1.1今までの経験から
 文法指導にかかわってきて非常に思ったのは良い質のインプットが学習者に与えられていないことが見受けられる。中高で共通して言えるのだがただ例文を提示⇒長い説明⇒練習問題⇒答え合わせ+長い解説というように行われていることが見受けられた。
(この考えはどうかと思うが)音読は1回すれば良い方だったかも…
 それに加えて文法問題集を使用だ。教育実習で前置詞を指導したが、教える量は前置詞句など含めて一つの項目で40を超えていた。。(教材研究をしていなくても答えを生徒に見えないように教卓においておけば授業が出来てしうまうメリットはあるけど。)それが原因の一つなのか知らないけが英語嫌いが量産されてきた。
 1.2大学院での学び
 そのような問題を解決するために管理人の大学院ではBill Van PattenのProcessing Instructionの理論に基づいて教材を作ったり、James J AsherのTPRの理論に基づいた教材開発を行っている。
過去にProcessing Instructionで作った教材は
 1.過去完了形と過去形
 2.過去進行形と過去形
TPRで行った指導は
 1.命令文
 2.態
 3.現在進行形
で行った。
 しかし、学習者の発達段階や文法事項によってはこのような指導法は全く機能しないこともある。

 2.じゃぁ現場でどうしているか
 はっきり言うと文法指導ほど苦手なものはない。それでも何とかやらないといけない。特に私が文法指導で特に気を付けていることは使用場面を明確にすることである。中学1年生の初期の文法指導は本当に気を使った…とりあえずルールから入らないようにしていた*1
  具体的には、
 This is... That is の導入のときには絵を与えてそこからshow and tell形式で多くの例文を与えたり、疑問詞のwhat,who,how manyなどの導入のときは「何?」、「いくつ??」、「誰??」と本当に生徒が思うような絵を使ったりして導入した。
 他にも、ALTとの会話であったり、生徒とのinteractionだったりする。
 その後は、簡潔な説明を施し必ずintakeのために多くの例文の音読を行っていた。そして、伝統的なドリルをして簡単な答え合わせをしたのちにoutput活動に持っていくようにしていた。

 それと、生徒に教えるときに気を付けていたのは一度に多くのことを導入しないことである。

3何をどこまでやればいいのか?
 「何」を「どこまで」を教えるべきかは本当に分からない。「学習指導要領に沿らないといけない、逸脱してはいけない」とあるが、そのような縛りはなくてもいいと思われる。「言いたいことを英語で表現できる」という観点が大切だと思われる。その観点から行けば高校の仮定法を必要に応じて中学校で扱っても構わないと思っている。

4文法のみでいいのか??
 文法は理解にも大切であるのであるが、表現するのにも大切である。最終的には自分のことを言葉を使って発信できることが大切である。そのためには文法が必要なもののひとつになるのではないだろうか。つまり、文法指導というのは表現の幅を 広げてやるためのツールだと思う。
 しかし、いくら文法が出来たとしてもそれだけではいけない。話すには、「話すこと」が必要となってくる。そのためには、ビジョンを持った英語指導が必要になってくる。

*1:明示的指導法ではルールを先に説明してそのあとに与えられたインプットを学習者に処理させる方法もある。

管理人の大学院 その2

前の記事でも大学院で学んでいることを皆さんに公開しましたが、
http://d.hatena.ne.jp/denta814/20110314/1300125231

今回も暇がある限り大学院でやっていることを書きたいと思います。

4テストの理論

英語のテストはこう作る

英語のテストはこう作る

 上記の本を受講生が読んできて言語テストを作る際の留意点を勉強してきたことを前提に小テストが行われる。その後、教授の現場での経験をもとに小テストの解説。その後、受講生が現場で作ったテストや実際に現場の先生方が作ったテストを受講生同士で大問ごとに妥当性などをテストのディスカッションをする流れで行われる。
  
5評価の理論
 評価の理論をやっている大学院も珍しいらしい。
特に中学校の「目標に準拠した評価」についてここでは学んでいく。
 
指導と評価の一体化を目指す英語授業の創造

指導と評価の一体化を目指す英語授業の創造

上記のテキストの指定された範囲を受講生が発表+発表者が疑問点などをまとめてその後教授が補足説明をしていく。 
 最終的には評定を付けるにいたるプロセスを学ぶ授業である。
評価計画をしっかりとすることで何が変わるかというと、授業そのものが変わる。
 評価のために授業をするのではなく、どのような力を学習者につけさせたいかを計画しそれに対してその規準をしっかりと学習者提示してそれをどれぐらい到達したのかに対して評価をしてやる必要があることを感じた。

 特に観点Ⅰ「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」の付け方は「この子できないけど頑張っているからAを付けてあげよう」というのはナンセンスということに気付いた。
 きちんとそれを英語の力とつなげてやらないといけない。
観点1に関してはまた時間があるときに斬ろうかな。

今回はテスト系で責めてみました。各指導法に関してはまたの機会に…